LLPってなんですか?
2006年度から大きく変わる会社法。
有限会社が無くなったり、合同会社が設置されたり、かなり趣が変わります。
それに先立って、2005年8月から新たな経営形態が出来ました。
それが、LLPです。
まだ導入されてから、半年なのでその仕組みが分からない人も多いと思います。
私も最近まで良く知りませんでした。
利用してみたくても、LLPの内容が分からなければ利用できません。
そこで、自分の勉強も兼ねて、LLPについてまとめたいと思います。
LLPの意味
そもそも、LLPってどんな意味なんでしょうか?
LLPとは、Limited Liability Partnershipの略で、有限責任事業組合のことです。
つまり、組合ですね。格差の無い組合員の集合体です。
『有限責任事業組合契約に関する法律』によって、2005年8月から制度化されました。
LLPに向いている事業
では、どんな事業に向いているのでしょうか?
LLPは、設立費用や日数が少なくてすむので、株式会社より簡単に設立できます。
但し、組合は組合員の集合体なので、2人以上で設立する必要があります。
このことから、事業のアイデアや知識はあるのに資金が乏しい場合、少人数の仲間で事業を始める場合といった、個人の能力を生かしたい事業には株式会社よりLLPが向いているといえます。
例えば、ケーキ屋のAさんとコーヒー屋のBさんがそれぞれの品物を提供して、インターネットに強いCさんと3人でネット上で販売するサイトを立ち上げる場合、経営の専門家のDさんと法務の専門家のEさんと人事の専門家のFさんがそれぞれの能力を生かした事業を始める場合などです。
LLPのメリット〜株式会社との違い
メリットが無ければ、LLPを使う必要はありません。
では、LLPのメリットは何なんでしょうか。
LLPのメリットとして、以下の3つが挙げられます。
(1)構成員課税(パススルー税制)
LLPに対して直接課税されないで、出資者に直接課税されます。
LLPに直接課税されないことで、組合員への二重課税を防ぐことが出来るのです。
この点、株式会社の場合、会社の利益に対して1回、株主に分配された利益に対して1回の計2回の課税が行なわれるのです。
その上、LLPが赤字になった場合、組合員個人の所得から赤字分を差し引いて課税額を算出する、損益通算処理が出来ることになります(但し、出資額の範囲での損失に限る)。
(2)有限責任制
LLPの組合員は有限責任、つまり出資額の範囲でだけ責任を負えばいいことになります。
例えば、LLP立ち上げ時に100万円の出資金があった場合、500万円の負債が発生しても、出資者は出資金の100万円の範囲で責任を負えばいいのです。
この点、個人事業の場合、500万円の負債を負ったら、不足分を個人の財産で賄わなければならなくなります。
(3)内部自治原則
株式会社では、運営方針や決定事項を株主総会や取締役会で決定するのが通常です。
しかし、LLPでは、組合員の総意で決定します。
株式会社では、株主総会での発言権は持ち株に比例して発言力が決定されてしまいます。その上、取締役会や株主総会を必ず設置しなければならず、経営の柔軟に欠ける場合があります。
一方、LLPでは、組合員の相違によって内部組織を柔軟に決定できるので、スピーディかつ柔軟な経営が可能になります。
また、出資比率に拠らずに自由に利益配分を定めることも出来ます。このことから、組合員の能力や貢献度に応じて利益配分をすることが可能となります。
この点、株式会社では株主平等原則に従って、持ち株に応じて利益配分が決定されます。つまり、出資額が多ければ利益が多いけど、仕事量や努力には比例されないんです。
LLPの注意点
LLPは2人から
LLPは組合である以上、1人では設立できません。最低2人以上で始めましょう。
もし、1人で頑張りたいと言うなら、LLC(合同会社)をお勧めします。
運転資金は考えておこう
確かに、LLPは株式会社に比べて安価に設立できます。
けれど、その後の費用が当然かかることは忘れてはいけません。この点は、会社でも組合でも同じです。例えば、事務所の家賃、光熱費、リース代等等。
出資だけの組合員は駄目
LLPは組合員皆で出資して設立します。
但し、出資だけして業務に参加しないことは認められません。お金だけ出して、手は出さないのはいけないんですね。
何故なら、前述のような構成員課税を利用して、節税目的だけでLLPを利用することを防ぐためです。つまり、節税のためにわざとLLPを赤字にして、その赤字を個人の利益から控除する恐れがあるからです。
あとで株式会社になれない
LLPは組合なので、法人格がありません。なので、法人つまり株式会社等への変更は出来ません。
もし、後で会社にしたい場合には、いったんLLPを解散してから新たに会社を設立することになります。
ちなみに、LLC(合同会社)ならば、当然ですが株式会社への変更は可能です。
全員で行ないましょう
株式会社は、代表取締役や取締役会が業務を執行していきます。株主は基本的に業務にタッチしません。
しかし、LLPは組合員全員で業務執行することが原則となります。
LLPの設立方法
LLPの仕組みについて、大体分かったのではないでしょうか。では、実際に設立する場合の手続きを説明します。
LLPの設立手続きの流れは、@LLP契約書の作成→A出資金の払込み→B組合契約の登記申請→C登記完了 となります。
@LLP契約書の作成
契約書には、◆組合の名称◆事務所の所在地◆事業目的◆組合員の氏名・住所◆組合契約の効力発生日◆組合契約の存続期間◆出資額、出資の目的◆事業年度 を必ず記入しなければいけません。これらは、『絶対的記載事項』と言います。
なので、契約書作成前に、まずは事業目的を決定しましょう。
事業目的とは、「組合でどんなことをするのか」と言うことです。LLPに参加する組合員全員で集まって決めましょう。
また、事業目的は出来るだけ具体的に記載して下さい。あいまいだと、登記できない場合があります。どういう風に決めたら良いか分からない場合、近くの司法・行政書士等に聞くのが早いと思います。
事業目的は、本来の目的のほか、関連しそうな事業も書いておいた方が無難です。そして、最後に「前各号に付帯する一切の業務」の一文を書いておきましょう。
事業目的が決まったら、それに見合った名称を考えましょう。
ここで注意する点は、必ず「有限責任事業組合」を入れる点です。
また、同じ市区町村内で同一・類似した会社が登記されている場合、その名称は使えないので、事前に調査しておきましょう。前もって、数種類の名称を用意しておけば、類似の名称の会社があっても慌てる必要はありません。
但し、2006年度からは住所が異なれば同じ名称の使用が認められるので、仮に同一・類似の名前の会社があっても登記は認められます。でも、商標権や顧客の誤解を招く恐れがあるので、事前に調査して避けることをお勧めします。
ここまで決定したら、契約書を作成しましょう。
◆事務所の所在地
番地まで記載せずに、「○○県××市」までの記載で構いません。
◆組合契約の効力発生日
分かりやすくするために、登記申請日を効力発生日とするのがベストです。
◆組合契約の存続期間
何年でも構いません。その期間が過ぎれば、変更登記をする必要があります。
◆出資の目的と出資額
目的は「運営費用として」等で構いません。1人1円ずつでも大丈夫です。
◆事業年度
LLPの事業にとって、1年間をいつからいつまでにするかということです。いつにするかは自由です。
A出資金の払込み
出資金を持って銀行に行って下さい。
この時点では、まだLLPは成立していないので、代表者個人名義の口座を開設して入金しましょう。この口座の名義にLLPの名称を入れておけばなお良いでしょう。
払込みの際、一人ずつ分けて振り込んだほうが良いでしょう。通帳に名前が記載されるので、出資者が誰か分かりやすいからです。
そうしたら、通帳の表紙と振込みが記載されたページをコピーしましょう。
B組合契約の登記申請
登記申請に必要な書類は、以下の通りです。
◆LLP契約書
◆出資金の払込みを証明する書類
◆効力発生登記申請書
◆OCR用紙
◆印鑑届書
◆組合員個人の印鑑証明書(組合員が個人の場合)
◆登記事項証明書(組合員が法人の場合)
◆取締役会議事録(組合員が法人の場合)
◆職務執行者の就任承諾書(組合員が法人の場合)
◆会社の印鑑証明書(組合員が法人の場合)
◆職務執行者個人の印鑑証明書(組合員が法人の場合)
◆委任状(代理人申請の場合)
出資金の払込みを証明する書類とは、Aで作成した通帳のコピーを添えて組合で発行するか、銀行で発行してもらいます。
法務局又は郵便局で収入印紙(6万円分)を購入します。その際、領収書は組合員の人数に分けて書いてもらいます。
法務局の窓口でチェックしてもらったら、書類一式をホッチキスで留めて申請窓口に提出します。
登記は10日から2週間くらいで完了します。提出時に、窓口で、いつ登記が完了するか確認しておいて下さい。
C登記完了
登記申請の後、貸借対照表を作成して置いて下さい。
貸借対照表は毎年作成しますが、設立時にも作成する必要があります。設立時の貸借対照表は、資産=出資金であることを書けばいいのです。なお、LLPでは、貸借対照表などの財務諸表を作成から10年間は保存する必要があります。
他に、税務署には「給与支払事務所等の開設届書」や「開業届」を提出して下さい。
登記が完了したら、法務局で印鑑登録カードを受け取ります。
これでLLPの設立は完了しました。
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LLPは、設立費用や日数が少なくてすむので、株式会社より簡単に設立できます。
但し、組合は組合員の集合体なので、2人以上で設立する必要があります。
このことから、事業のアイデアや知識はあるのに資金が乏しい場合、少人数の仲間で事業を始める場合といった、個人の能力を生かしたい事業には株式会社よりLLPが向いているといえます。
例えば、ケーキ屋のAさんとコーヒー屋のBさんがそれぞれの品物を提供して、インターネットに強いCさんと3人でネット上で販売するサイトを立ち上げる場合、経営の専門家のDさんと法務の専門家のEさんと人事の専門家のFさんがそれぞれの能力を生かした事業を始める場合などです。
では、LLPのメリットは何なんでしょうか。
LLPのメリットとして、以下の3つが挙げられます。
(1)構成員課税(パススルー税制)
LLPに対して直接課税されないで、出資者に直接課税されます。
LLPに直接課税されないことで、組合員への二重課税を防ぐことが出来るのです。
この点、株式会社の場合、会社の利益に対して1回、株主に分配された利益に対して1回の計2回の課税が行なわれるのです。
その上、LLPが赤字になった場合、組合員個人の所得から赤字分を差し引いて課税額を算出する、損益通算処理が出来ることになります(但し、出資額の範囲での損失に限る)。
(2)有限責任制
LLPの組合員は有限責任、つまり出資額の範囲でだけ責任を負えばいいことになります。
例えば、LLP立ち上げ時に100万円の出資金があった場合、500万円の負債が発生しても、出資者は出資金の100万円の範囲で責任を負えばいいのです。
この点、個人事業の場合、500万円の負債を負ったら、不足分を個人の財産で賄わなければならなくなります。
(3)内部自治原則
株式会社では、運営方針や決定事項を株主総会や取締役会で決定するのが通常です。
しかし、LLPでは、組合員の総意で決定します。
株式会社では、株主総会での発言権は持ち株に比例して発言力が決定されてしまいます。その上、取締役会や株主総会を必ず設置しなければならず、経営の柔軟に欠ける場合があります。
一方、LLPでは、組合員の相違によって内部組織を柔軟に決定できるので、スピーディかつ柔軟な経営が可能になります。
また、出資比率に拠らずに自由に利益配分を定めることも出来ます。このことから、組合員の能力や貢献度に応じて利益配分をすることが可能となります。
この点、株式会社では株主平等原則に従って、持ち株に応じて利益配分が決定されます。つまり、出資額が多ければ利益が多いけど、仕事量や努力には比例されないんです。
LLPは組合である以上、1人では設立できません。最低2人以上で始めましょう。
もし、1人で頑張りたいと言うなら、LLC(合同会社)をお勧めします。
運転資金は考えておこう
確かに、LLPは株式会社に比べて安価に設立できます。
けれど、その後の費用が当然かかることは忘れてはいけません。この点は、会社でも組合でも同じです。例えば、事務所の家賃、光熱費、リース代等等。
出資だけの組合員は駄目
LLPは組合員皆で出資して設立します。
但し、出資だけして業務に参加しないことは認められません。お金だけ出して、手は出さないのはいけないんですね。
何故なら、前述のような構成員課税を利用して、節税目的だけでLLPを利用することを防ぐためです。つまり、節税のためにわざとLLPを赤字にして、その赤字を個人の利益から控除する恐れがあるからです。
あとで株式会社になれない
LLPは組合なので、法人格がありません。なので、法人つまり株式会社等への変更は出来ません。
もし、後で会社にしたい場合には、いったんLLPを解散してから新たに会社を設立することになります。
ちなみに、LLC(合同会社)ならば、当然ですが株式会社への変更は可能です。
全員で行ないましょう
株式会社は、代表取締役や取締役会が業務を執行していきます。株主は基本的に業務にタッチしません。
しかし、LLPは組合員全員で業務執行することが原則となります。
LLPの設立手続きの流れは、@LLP契約書の作成→A出資金の払込み→B組合契約の登記申請→C登記完了 となります。
@LLP契約書の作成
契約書には、◆組合の名称◆事務所の所在地◆事業目的◆組合員の氏名・住所◆組合契約の効力発生日◆組合契約の存続期間◆出資額、出資の目的◆事業年度 を必ず記入しなければいけません。これらは、『絶対的記載事項』と言います。
なので、契約書作成前に、まずは事業目的を決定しましょう。
事業目的とは、「組合でどんなことをするのか」と言うことです。LLPに参加する組合員全員で集まって決めましょう。
また、事業目的は出来るだけ具体的に記載して下さい。あいまいだと、登記できない場合があります。どういう風に決めたら良いか分からない場合、近くの司法・行政書士等に聞くのが早いと思います。
事業目的は、本来の目的のほか、関連しそうな事業も書いておいた方が無難です。そして、最後に「前各号に付帯する一切の業務」の一文を書いておきましょう。
事業目的が決まったら、それに見合った名称を考えましょう。
ここで注意する点は、必ず「有限責任事業組合」を入れる点です。
また、同じ市区町村内で同一・類似した会社が登記されている場合、その名称は使えないので、事前に調査しておきましょう。前もって、数種類の名称を用意しておけば、類似の名称の会社があっても慌てる必要はありません。
但し、2006年度からは住所が異なれば同じ名称の使用が認められるので、仮に同一・類似の名前の会社があっても登記は認められます。でも、商標権や顧客の誤解を招く恐れがあるので、事前に調査して避けることをお勧めします。
ここまで決定したら、契約書を作成しましょう。
◆事務所の所在地
番地まで記載せずに、「○○県××市」までの記載で構いません。
◆組合契約の効力発生日
分かりやすくするために、登記申請日を効力発生日とするのがベストです。
◆組合契約の存続期間
何年でも構いません。その期間が過ぎれば、変更登記をする必要があります。
◆出資の目的と出資額
目的は「運営費用として」等で構いません。1人1円ずつでも大丈夫です。
◆事業年度
LLPの事業にとって、1年間をいつからいつまでにするかということです。いつにするかは自由です。
A出資金の払込み
出資金を持って銀行に行って下さい。
この時点では、まだLLPは成立していないので、代表者個人名義の口座を開設して入金しましょう。この口座の名義にLLPの名称を入れておけばなお良いでしょう。
払込みの際、一人ずつ分けて振り込んだほうが良いでしょう。通帳に名前が記載されるので、出資者が誰か分かりやすいからです。
そうしたら、通帳の表紙と振込みが記載されたページをコピーしましょう。
B組合契約の登記申請
登記申請に必要な書類は、以下の通りです。
◆LLP契約書
◆出資金の払込みを証明する書類
◆効力発生登記申請書
◆OCR用紙
◆印鑑届書
◆組合員個人の印鑑証明書(組合員が個人の場合)
◆登記事項証明書(組合員が法人の場合)
◆取締役会議事録(組合員が法人の場合)
◆職務執行者の就任承諾書(組合員が法人の場合)
◆会社の印鑑証明書(組合員が法人の場合)
◆職務執行者個人の印鑑証明書(組合員が法人の場合)
◆委任状(代理人申請の場合)
出資金の払込みを証明する書類とは、Aで作成した通帳のコピーを添えて組合で発行するか、銀行で発行してもらいます。
法務局又は郵便局で収入印紙(6万円分)を購入します。その際、領収書は組合員の人数に分けて書いてもらいます。
法務局の窓口でチェックしてもらったら、書類一式をホッチキスで留めて申請窓口に提出します。
登記は10日から2週間くらいで完了します。提出時に、窓口で、いつ登記が完了するか確認しておいて下さい。
C登記完了
登記申請の後、貸借対照表を作成して置いて下さい。
貸借対照表は毎年作成しますが、設立時にも作成する必要があります。設立時の貸借対照表は、資産=出資金であることを書けばいいのです。なお、LLPでは、貸借対照表などの財務諸表を作成から10年間は保存する必要があります。
他に、税務署には「給与支払事務所等の開設届書」や「開業届」を提出して下さい。
登記が完了したら、法務局で印鑑登録カードを受け取ります。
これでLLPの設立は完了しました。
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